過去ログ - 魔法使い「勇者愛してる」魔王「魔法使い愛してる」
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65: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 19:45:12.95 ID:47smt+axO
男「嘘…だろ…」

女「神様が…悪…?」

ザワザワ…

戸惑う民衆を前に、勇者と魔法使いは自らのスピーチの完成度に胸を昂らせ、その顔はいつになく得意気だった。
またそれと同時に、自分達の意外な才能に辟易もしていた。
それもそのはず、この話は全くのデタラメなのである。

人々を騙す事や、神を冒涜する事に罪悪感がない訳ではない。
しかし、何よりも優先すべきは人の命や世界の平和だ。
この日の為に2人は幾度も話し合い、綿密に設定を練り上げてきた。
矛盾のないように。
信憑性のあるように。
そうしてできあがった壮大な大ボラを、彼らは真剣に大胆に、力強く声高に叫んだ。

負の感情を魔王ではなく神に集め、魔王をただの滑稽なピエロに仕立てあげる…それが勇者達の作戦だった。
この策が功を成せば、魔王を大幅に弱体化できるかも可能性は高い。
神などという存在は恐らく実在しないだろうし、そんな架空の偶像に負の感情が集まったところで特に実害はないはず。
魔王さえ倒してしまえば、後は頃合いを見て『黒幕である神を倒したら魔王も消滅した。神自身は弱かった。』などという都合の良いエピローグで辻褄を合わせれば完璧だ。

勇者「ですから…」

バァァァァン!!

勇者&魔法使い「「っ?!」」

…そう、完璧のはずだった。


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