過去ログ - 魔法使い「勇者愛してる」魔王「魔法使い愛してる」
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68: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/21(木) 19:49:32.66 ID:47smt+axO
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【東の王国・緑の草原】

ようやく王都を抜け出した勇者と魔法使い。
…こんなはずではなかった。
上手くいくはずだった。
作り話を信じてもらえない可能性は考えていたが、大司祭の暴走など予想外にも程がある。

魔法使い「どうしよう…どうしよう…!!私のせいで…たくさんの人が…!!」

勇者「…俺のせいだ。黒幕を神にしようと提案したのは俺だった。そこを神にしなければ、こんな事態にはならなかった…。」

魔法使い「と、とにかく街の人を助けなきゃ!逃げて来たはいいけど、やっぱり戻るべきなんじゃ…」

勇者「…いや、俺達が戻ると余計に混乱するだけだ。大司祭は確かに強いが、せいぜい兵団の将軍クラス1人と互角程度のはず。今頃はとっくに鎮圧されてるだろう。」

魔法使い「…確かに街の方からもう戦闘音は聞こえないわね…」

勇者「くそっ…浅はかだった…!!俺の考えが足りなかったばかりに…!!」

魔法使い「勇者…」

勇者「…でもっ!!でも、じゃあどうすればよかったんだよっ?!神ぐらいしかいないだろ、魔王を操れそうな奴なんてっ!!」

勇者「上手くいくと思った…今度こそ現状を打破できるチャンスだと思った…。俺だって好きで神様を愚弄した訳じゃないんだよ…どうしてこんな…」

勇者「ちくしょう…」ガンッガンッ

勇者は目に涙を浮かべ、岩を拳で何度も殴りつけた。

魔法使い「…ここにいたってどうしようもないわ。王都に戻るのが危険なら、一旦他の街に場所を移しましょ。そして今後の方針を考えないと…」

勇者「.…ああ。」

2人は、青ざめた顔で再び歩を進めた。
その表情はいつしかの、魔王に敗れ帰った時のそれにも似ていた。


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