過去ログ - 【モバマスSS】シンデレラたちの昼
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15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 04:57:09.14 ID:Rba13hY90
拓海「あー、それでだ。 もし居なかったら適当なの捕まえて連絡先聞き出すつもりだった」
飛鳥「その哀れな被害者がボクでね。 そのまま買い出しに連れて行かれたのさ」
拓海「オゥ助かったぜ! 後で腹いっぱい食わせてやるからなっ」
なるほど、それで帰ってくるのが遅かったんだな。
奈緒「それにしても、良くあんな格好したやつについてこうと思ったな?」
率直な疑問だ。
飛鳥「蘭子の対戦相手だったからね。 リサーチ済みの特徴と一致してたから信用したのさ」
拓海「いきなり名前やら何やらを言い当てられてビビったぜ。 蘭子といいコイツといい、変わったヤツが多いプロダクションだ」
特攻服とバイクで登場する元ヤンアイドルには言われたくない。 そんな拓海が、フクザツそうな目つきで、蘭子をじっと見つめている。
拓海「しかしまぁ、ステージの上でアタシを震え上がらせた、あのバケモンが……」
蘭子「?」
拓海「なんつーか……なあ?」
奈緒「ああ、わかるよ」
ステージの上、特にライブバトルでの蘭子は非常に傲慢で、高圧的で――容赦がない。 劇場型のアイドルには良くあることだけど、あいつらは自分の世界を舞台の上につくり上げることに長けている。 一度流れに乗ってしまうと、そこから主導権を取り返すのは至難の業。 為すすべもなく、創られた世界の脇役として飲み込まれていってしまう。
とりわけ、蘭子が演じるのは魔王や姫、天使や悪魔といった、いわゆる美味しい役どころ。 相手をしていて決して楽なものではない。
そんな彼女は今、きぐるみ猫パジャマを着て拓海にキラキラした眼差しを贈っている。
拓海「なんだかなあ…… にせもんとかじゃねえよな?」
蘭子「むっ、不敬なるぞ。何故我を贋作呼ばわりする!」ムン
拓海「ああもう! ちょっと撫でさせろやぁぁぁぁ!」
蘭子「いやぁぁぁん〜!」
ワシャワシャと、拓海が嫌がる蘭子を撫で回す。 すかさず飛鳥が間に割り込み、拓海を席に戻した。
飛鳥「止めてくれ、急に撫でたらびっくりするだろう。 頼めば割と何でもやってくれるんだ、要領を守って可愛がってくれ」
拓海「お、おう、悪かったな…… じゃあ改めてちょっと撫でさせてくれや」
蘭子「うむ」
拓海「よっしゃ。 あ〜……」
飛鳥「わっ! ボクもかい!? え、エクステに気をつけてくれないか……」
拓海はなんだか感極まった表情で、二人を撫で続ける。 対する二人は喉を鳴らす猫の様に、ハの字眉毛で気持ちよさそうだ。 そういやあ、ヤンキーは捨て猫が好きってのが相場だもんな。 どう見ても野良って感じはしないけど。
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