過去ログ - 【モバマスSS】シンデレラたちの昼
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27:名無しNIPPER[saga]
2016/07/29(金) 06:27:43.90 ID:+rw+DdHM0
奈緒「なあ拓海……なんでVi部門に出たんだ? あれ、結構癖が強いだろ」


 蘭子たちが再び肉に夢中になったので、ちょっとした疑問を聞いてみることにしたのだ。 蘭子や飛鳥のように独特な個性を全力で披露するライブがメインのVi部門は、必然的にアクの強いものになる。 どちらかと言えばまっすぐに自己主張をする拓海には向いてない気がするんだ。


拓海「癖が強い――か。 だから出場たんだよ」

拓海「アタシはまだアイドルになって日が浅い。 元々、声張り上げて暴れまわってたんだ。 声量や体力に自身がないわけじゃねえけど、それじゃあ全然足りねえ。 アタシには技ってのが備わってないのさ」


 だけど、と拓海が言った。


拓海「ビジュアルってのは魂だ。 自分の想いに持ってるモノ総てを乗せてぶん殴る。 対戦相手にも、審査員にも、ファンたちにも、全部この拳で伝えてやれる。 そうすりゃヤンキーに対する色眼鏡だって立派な武器だ。 アタシ自身を見てもらうのはテッペン獲ってからでも遅くはないさ」


 なるほどな、拓海は強いんだ。 自分に自信があるのに短所を受け入れることに忌避感がない。 しかも勝利に貪欲だ。


奈緒「なんていうか……拓海はすごいんだなあ」

拓海「ハハハハッ! だろ? つっても優勝は逃しちまったんだけどなっ!」

奈緒「蘭子は分類すればトップアイドルだし、そう簡単には行かないだろうな。 ほとんどVi専門だし」


 その分、ダンスは苦手だしスタミナも全然ないけどな。 夜道で出会ったらダンスレッスンを亡き者にする、とまで言っていたくらいだ。 概念あいてにどうするつもりなのかは知らない。


拓海「ああ、でもそのうちぶっ倒してやるさ…… あの姿を見てるとやりずれぇけどな……」

奈緒「あの口調は一種の人見知りなんだよ。 もっと仲良くなれば普通に話すことも多くなるんだ」

拓海「正直な所、素が子犬みたいなヤツだとは思わなかった。 美城はスカしたヤローが多いと思ってたけど、以外な一面だったぜっ!」


 会いに来てよかったぜ。 そういうと、拓海は嬉しそうな笑顔を見せた。 強気な眦が少しだけ下がり、とても優しい雰囲気になる。 これも意外な一面ってやつなのかな?


奈緒「意外ついでに他のやつらの一面も見ていかないか?」

拓海「あん? どういう意味だそりゃ」

奈緒「さっきの楽しそうな写真を見てな、用事が済んだここの住人が帰ってくるんだよ」


 噂をすればなんとやら。 丁度、玄関の方が騒がしくなってきた。


拓海「そりゃ都合がいいな。 なんせ材料が余りすぎてたんだっ!」




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