過去ログ - ガンスリンガーシンデレラ
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29:名無しNIPPER[saga]
2016/07/22(金) 08:49:19.29 ID:eZZIg7j+0

武内「来た――始めるぞ」

義体「はい……」

冬馬(捜査員らしき人影が消えた……?)

冬馬「追ってこないな」

春香「冬馬さん……。後ろ」

冬馬「……ッ!!」

冬馬「青年と少女のペア――」

春香「義体ですよ、義体」

冬馬「その可能性は高いが……。見ない顔だな」

冬馬(新入りか……? 義体らしき少女も見たことがない)

冬馬(青年と、バッグを担いだ少女――間違いない)

冬馬(だが……)

冬馬「春香、もう一度振り返れ」

春香「はい――」

武内「……」

義体「……」

春香「青年の方が、電話を使っています」

冬馬「……」

冬馬(適切な距離を保ちつつ、俺たちのことを決して追い抜かない――一本道で)

冬馬「新手の義体か……」

冬馬(さて、どうしたものか――時間はない)

冬馬(春香も衰弱している……。いくら優秀な義体とは言え、まともにやり合うのは……)

冬馬(年貢の納め時か……?)

冬馬「いや――」

武内「ええ。彼は港方面へ向かっています」

武内「もしかしたら――我々が狩り立てる必要もなかったのかもしれません」

黒井「初めからここが目的だったということか」

黒井(だが、こんな港へ来てどうするつもりだ?)

黒井(やはり、何者かと接触を――)

黒井「分かった。そのまま尾行を続けろ」

黒井「このまま計画通り、俺はクレーンの上で待機している」

武内「了解――このまま尾行を続けます」

義体「プロデューサーさん、二人の歩く速度が上がっています」

武内「ああ。迷いがない……」

義体「あ、電話を使いましたね」

武内(誰と話している……?)

冬馬「分かった――感謝する」

冬馬「あと数分で着く……。頼んだぞ」

春香「冬馬さん、まだ追ってきます」

冬馬「ああ……」

冬馬「もう気にするな。早く港へ向かうぞ」





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