過去ログ - THE IDOLM@STER OVER WORLD
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27:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 17:10:11.59 ID:G7thJZfF0


「春香!美希はもういいわ、そんなことよりプロデューサーの血を!」


千早がタオルでプロデューサーの傷口を圧迫しているが、その蒼い生地はもはや赤黒く染まっており、その止血が意味をなしていないことを物語っていた。


「わかったよ!わかったけど……こんなの私達には何も……」
「そうだ、君達には何もできない。大人しくそこで彼の最期を看取ってやるといい」
「そんな……」


愕然とする春香とは対照的に、千早はまるで兵士の言葉が聞こえていないかのようにプロデューサーの腹部を抑え続けている。
彼女の瞳からは涙が溢れ、血に染まった手を濡らす。


「そこをどけ、楽にしてやる。もうじき輸送車も追いつく頃だ。運ぶ対象は変わってしまったが、死体を処理するのにもちょうどよかろう」


隊長の言葉通り、巨大なトラックが春香達の前方から走行してきた。
何やら大荷物を輸送しているようで、その荷台には巨大なコンテナが載せられている。


「やめて下さい!プロデューサーに手を出したら!」
「出したらどうする」
「私、あなたのことを許しません」


春香の眼がキッと鋭くなる。
その瞳は憎しみを超え、もはや殺意すら抱いているかのようなものだった。


「ほう、ただの小娘に何ができるというのだ。歌と躍りで我々を翻弄させてくれるとでも言うのかね?」


彼の言う通り、もはや春香に打つ手はなかった。


「ここでその男を生かしておくのは得策ではない。脅威になるとは言わないまでも少し特殊なようだからな。最後の忠告だ、そこをどけ」
「嫌です!」


両腕を大きく開き、立ち塞がる春香。


「そうか、残念だ。娘が君のファンでな、殺しはしないが少し痛い目を見てもらうぞ」





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