110:名無しNIPPER
2016/07/27(水) 20:42:50.86 ID:sMihRnaL0
バンコク都ドゥシット区のチャオプラヤ川に面した広大な土地。
先の大戦以前にはタイ国会議事堂が存在した場所である。
現在は高い塀で囲まれ、周りを多数の兵士が警備している。
こここそが、地球連邦東南亜軍バンコク支部の本拠地である。
その正面ゲートの検問所、そこで四人は足止めを食らっていた。
「きーっ!だからっ!私が!水瀬財閥の水瀬伊織だって言ってるの!何回も言わせないでくれる!」
声を荒げる伊織に、検問所の連邦兵は事務的な一言。
「ですから、上層部の確認が取れるまでお入れするわけにはいきません」
「だっから!内線でもなんでも繋ぎなさいよ!ここのトップとは知り合いだって言ってるでしょうが!」
「中佐はただいま外出中です。お繋ぎすることはできません」
「あああああ!もう!あんただってテレビ見たでしょ!演説してたのが私!」
「勤務中でしたので」
「きーっ!」
地団駄を踏む伊織をやよいがなだめていたその時、軍用ジープ特有のエンジン音が近づいてきた。
「中佐!」
連邦兵がすぐさま敬礼する。
「もーっ!なんで肝心な時にいないのよ!この役立たず!」
「おい!中佐に何て口を聞くんだ!」
「いやいや、いいんだよ。むしろ伊織に敬語なんて使われたらこそばゆくて仕方ない」
そう言ってジープから降りてきたのは、まだ20代であろう眼鏡をかけた青年だった。
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