112:名無しNIPPER
2016/07/27(水) 20:46:20.76 ID:sMihRnaL0
「着いたぞ。ここが司令室だ。」
伊織達の目に入ったのは、巨大な鉄筋作りの建物などではなく、いかにも急ごしらえで作ったような小屋のようなものだった。
「なによこれ!あんたそこそこ偉いんじゃないの?なんでこんなとこにいるのよ」
「いや、それがだな‥‥‥上が外壁とセキュリティで予算を使い果たしてしまったらしくてな‥‥‥中身はこんな有り様だよ」
「なによそれ、言ってくれれば資金援助ぐらいしてあげたわ」
「いいんだ。これはうちの問題だからな。水瀬に迷惑をかけることじゃない。第一、伊織はそういうの嫌ってるはずじゃなかったのか?」
「うっさいわね!せっかく人が親切に‥‥‥」
「ごめんごめん。まぁ入ってくれ。外よりは涼しいぞ」
赤羽根に押され、しぶしぶ入る伊織と言われる前に入っていた三人。
司令室内に入った彼女達の第一声は
「なによこれ‥‥‥殺風景もいいところじゃない」
「うあー、なーんにもないよ真美!」
「ほんとほんと!バネにーちゃんこれじゃつまんないっしょー」
「うっうー!私のおうちみたいで落ち着くかなーって!」
多種多様ではあったが、『なにもない』という印象は全員に共通していた。
それもそのはず。司令室内にあるのは赤羽根が座るであろう椅子とデスク。来客用のソファが2つに、壁にはバンコクの地図と地球連邦軍の軍旗が貼られており、後は部屋のすみにぽつんと冷蔵庫が置いてあるだけだった。
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