15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 22:33:54.76 ID:G7thJZfF0
数分前までとは明らかに目つきを変えたプロデューサーがアイドル達に歩み寄る。
その間にも彼は床に転がる男達の死体に数発ずつ弾丸を撃ち込む。
その度に、暗い車内をマズルフラッシュが照らした。
「イヤ!こないで!こないでほしいの!」
美希が怯えきった顔で叫ぶ。
プロデューサーは美希の目の前まで来ると、拳銃を投げ捨て、膝を床につけ、続いて手をつけると、最後に頭を床につけた。
「すまなかった、美希!あいつらを欺く嘘とはいえ、あんなことを言ってしまって!」
「顔をあげてくださいプロデューサーさん!結果的に美希も私達も助かったんだし!ねぇ、千早ちゃん!」
美希ではなく、真っ先に春香が口を開く。
話を振られた千早は、何故かきょとんとしていた。
「えっ……ええ、私は最初からわかっていたのだけれど」
「えぇ!?そうなの!?なんで、千早ちゃん!?」
「だってプロデューサー、ずっと痛いほどに右手を握りしめていたもの」
「ははは……千早にはお見通しだったか」
そう言ってプロデューサーが右手を開くと、そこには血に染まった深い爪の跡があった。
「だ、大丈夫ですかプロデューサーさん!?今、絆創膏だしますね!」
「ありがとう春香、にしても千早、よくわかったな。千早の席から俺の手は見えないだろ」
「はい、でも肩の強張りかたを見ればすぐにわかりました。それに私はプロデューサーがなんの考えもなしにあんなことは言わないと信じていましたから」
「そんな〜、わ、私だって信じてましたよ!」
「おもいっきり顔ひきつってたじゃない、春香」
「そ、そんなことないよー!ね!美希?」
春香が美希に会話を振るが、美希は未だに膝を抱えて震えているままだった。
「美希、どうしたの?」
「どうした?春香こそどうしたの……?怖くないの?ハニー、ううん。プロデューサーは人をいっぱい殺しちゃったんだよ?最後の人なんて殺さないでって言おうとしてたの」
少しの沈黙の後、春香が口を開く。
「うん、それで?」
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