20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 22:50:07.67 ID:G7thJZfF0
「いいよ、美希拐われてあげるの」
論理的な思考など、今の彼女にはなかった。
彼女の前頭葉を支配していたのは『恐怖』、この世で最も愛していたはずの人に対する、ただ純粋な恐怖だった。
「美希!何言ってるの!拐われたら殺されちゃうかもしれないんだよ!」
「ううん、それはないって思うな。この人さっきからずっと掴んでるけど、美希のこと怪我させないようにしてるの」
「おい、仮面野郎!学園都市は人間の心まで操るってのか!」
「学園都市にそのような技術があることは否定しない。
だが、少なくとも我々はそのような装備を持ち合わせてはいない。つまり、紛れもなく彼女自身の意思だと言うことだ」
「美希……」
仮面の男の言葉を信じた訳ではなかったが、プロデューサー自身、美希の言動の原因が自らにあるかもしれないということは自覚していた。
だからこそ、彼は諦めることなどできなかった。
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