過去ログ - 高森藍子「誰かを笑顔にできるなら」
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12: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 17:18:18.31 ID:wiTHyHYmO
「こんにちは」

ふいに声をかけられた。

花柄のワンピースを着た少女がこちらを見て微笑んでいる。

「あ、どうも」

我ながら間抜けな声が出てしまう。

返事をしながらも彼女に見えないようにこっそりビールの缶を体の陰に隠す。

年下の少女に仕事をサボって酒を飲んでいるのを見られて平然としているほど神経が太いわけではない。

「今日はいいお天気ですね」

「そうだね。今日は休みなのかな」

相手は高校生くらいに見える。学校をサボるような子には見えないし、平日にしては粧し込んだ服装をしている。

「はい、昨日まで試験があったので今日はお休みなんです」

「ああ、そうか。もうそんな時期なんだね」

当たり障りのない返答をしながら俺はアルコールに浸されかけている大脳をフル回転させていた。

この子…誰だっけ?


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