過去ログ - モバP「お前を芸術品にしてやるよ」頼子「……」
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◆3UO.XRpYJ2
[saga]
2016/07/25(月) 00:35:01.99 ID:ilyuscAp0
「あ、あの……」
どうしました。そういうと、彼女は残っている紅茶を勢いよく飲みほした。何か、大切な事でも言おうとしてるのだろうか。
彼女につられて少し緊張して、僕も手元のコーヒーに口をつけた。温かくて苦い液体が僕の喉を通り抜ける。
「どうして……私を、アイドルに?」
大きく深呼吸をしてから、彼女はそう言った。
ずっと、気になっていました、と彼女の表情には書いてある。
そんなに気になっていたんだろうか。僕は彼女をスカウトした時を軽く思い出してから、言った。
「なんかね、ピンときたんですよ」
「ピンと……?」
「ええ、ピンと」
「ええと、その……僕は新人ですけど、アイドルってずっと好きだったんです」
「そう、なんですか」
「はい」僕は頷いた。「そりゃもう、古澤さんの美術好きに負けないくらいに」
コーヒーを一口飲んで続ける。
「なんていうかな、この職業に就いたのも、その好きなアイドルを自分の手でプロデュースしてみたいっていう思いがあったのもありまして。好きなんですよ、アイドルの子が笑顔でステージで歌ったり踊ったりしたり、そういうのが。だからその、えと……」
ここまで話してから、まずい、なんて勝手に思い始めていた。
彼女は何も言わずに話を聞いてくれている。なのに、僕が勝手に追い詰められているみたいだ。
きっと、これは彼女にとってとても大切な質問なのだろう。だから、しっかりとした答えを言いたいのに、なんとも口下手な自分が恨めしかった。
僕の言葉はしっかりと彼女に届いているのだろうか。
「だ、だからですね!古澤さん!」暫く考えてもちゃんとした言葉を頭の中で作り出す事に失敗して、僕は半ばやけになっていた。「あなたがステージで輝いている姿を見たいと思ったんです!初めて見たとき素敵だと思いまして!絶対に、この子ならトップアイドルを目指せると思いました!そのくらい魅力的でした!」
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