過去ログ - 高森藍子「7月25日。私は、ウサミン星でお散歩をしました」
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:38:24.01 ID:s0xS1vQx0
窓の外にはいっぱいの銀河が広がっている。星の色が七色だということを藍子は初めて知った。初めて知って、いつもの癖でカメラを探そうとスカートのポケットを探して、途中からカメラではなくスマートフォンを探さなければならないという気持ちになった。
誰かにこの景色を見せてあげたいと思った。
例えば……例えば。……名前が、ちょっと出てこない。
今の自分は思い出さない方がいいような気がする。思い出さないような方がいい気がしてから、でもそれは世界の法則に逆らってでも思い出し口に出すべき名前だと本能が告げた。自分が2人になって喧嘩をしているようで心地が悪くて、藍子はぶんぶんと首を振る。

結局、自分は何も持っていない。

そういえば、ウサミン星に行く時には何も持ち物も許されないんだった――許されない、なんて鋭い言葉ではなくて。手ぶらでいつでも訪れられる……でもない。散歩をするようにで来れる場所、だったかな?
そう、近所の公園をお散歩するかのように、行ける場所。
お散歩する時に荷物なんて持たないから、それとおんなじで、ウサミン星を訪れる時にはカメラもスマートフォンも持っていない。

…………あれ? そうだっけ? お散歩の時って荷物とか持っていたような……。



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