24: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:07:21.06 ID:JY7Hx0GQ0
その夜、私はプロダクションに併設されている寮の屋上に出ていた。
二十三時の夜空には、一点の星も見当たらない。月は、薄い黒雲の向こう側で微かに光っているだけだった。
特別なものを内包しているような空気を醸しながら、結局は何も持っていない平坦な夜空に、自分自身を重ねてしまう。
頭の中で、卯月の言葉が蘇る。
卯月『そんなの、のあさんと一緒ですよ』
卯月『トップアイドルになるんです』
あの時の彼女は、私を揺り動かすほどに美しく、まっすぐだった。そして眩しかった。
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