18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/27(水) 12:17:05.06 ID:8FgqKKs3O
「私、一歩も動いてなかったんです。今まで、一度も。色んな事にチャレンジしてきました。勉強もスポーツも。でもそれは一歩を踏み出すための準備をしていただけで、私はそこで満足してました」
プロデューサーさんは黙って聞いてくれている。
だから私もそのまま続けた。
「アイドルもそう。一歩踏み出した気になっていて、アイドルの世界に一歩踏み込んでいた気がしていて焦ってたんです。踏み込んだのに何もできない自分に」
そう、私は卵。プロデューサーさんの言うとおり孵化していない卵だったのだ。
「何もできない自分を受け入れられなかった。でも、今はもう大丈夫です。ご心配をおかけしてすみません」
黙って聞いていたプロデューサーさんが口を開いた。
「新田さんが何か悩んでいることはわかっていました。ですが、本人の口から言うまでは見守ろうと思っていました。それが新田さんをどんどん苦しめていて……本当に申し訳ないです」
「い、いえいえ! 私が悪いんです! 私が溜めこむから!」
「いえ、プロデューサーとして当然の責務を果たしていなかったのですから、私の落ち度です。菜々さんには救われました」
「菜々ちゃんに、ですか?」
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