2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/27(水) 11:56:15.46 ID:8FgqKKs3O
「あの、ちょっといいですか?」
私、新田美波が初めて彼、プロデューサーさんに声をかけられたのは大学に入学して間もない頃だった。
まだ右も左もわからず、希望と不安をない交ぜにしつつ勉学に励んでいた私は漠然と生きている自覚があった。
だけど、それをどうにかする術を知らなかった。
プロデューサーさんのその誘いは私の世界を広げる第一歩だった――――
「アイドル、やりませんか?」
当然、すぐに受け入れられる話ではなかった。
惹かれないと言えば嘘となるが、全く知らない世界に入るという恐怖もあった。
それに初対面の人物をすぐに信じられるほど楽観的に生きてはいない。
初めて私が彼にかけた言葉は――――
「すみません、急いでいるので」
プロデューサーさんを拒絶する言葉だったが、今考えても間違えていないと思う。
だけど、プロデューサーさんは諦めず、しつこいほどスカウトしてきた。
そんなプロデューサーさんが最初は怖かったし、警察に相談しようとも思った。
しかし、ある一言が私を変えた。
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