過去ログ - モバP「速水奏の輝かせ方」
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34: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/07/31(日) 02:17:13.06 ID:1RZ+Ipaf0
「もうっ! やめてよびっくりしたじゃん!」

 城ヶ崎さんは紅潮した顔を手で扇いでいた。ギャップというなら、ギャルな見た目に反して初心であることが一番であろう。この初々しい反応もまた魅力である。

「ちょっと驚かそうと思ってね」

「さっきの反応、可愛かったわよ」

 しれっと言う俺と速水さん。息ぴったりだった。

「おい、お前のキャラ感染りかけてるぞ」

 彼は呆れ気味にため息をつく。その横では城ヶ崎さんがそうだそうだ! と俺を非難した。

 しかし、ふたりの言葉には首をかしげざるを得ない。

「ん? 元々こんなだったけど」

「それは語弊があるかな、普段は真面目だよ。最近はプロデューサーさんに付き合ってあげてるの」

 よく言う。いきなり冗談をかましてきたのは速水さんだろうに。ただまあ、俺が適当な人間なのは否定しないし、今回に限って言えばその通りだ。

「どうもありがとう」

「どういたしまして」

 彼と城ヶ崎さんは生温い視線を向けてくる。いや、そっちのほうが熟年夫婦みたいな雰囲気でてるぞ。城ヶ崎さんが茹りそうなので口にはしないけれど。

 そろそろ話を進めよう。俺は居住まいを正す。

「冗談はさて置き、ふたりとも今日はありがとう。城ヶ崎さん、トークよかったよ」

「まあねー、楽勝だよ!」

「こら美嘉、調子に乗るな」

 窘める彼に城ヶ崎さんは「あっ違うよ」と恥ずかしそうにはにかんだ。その笑顔には彼への信頼を見て取れる。

「この番組もそうだけど、みんなアタシが上手くいくように頑張ってくれてるんだよ。スタッフさんも、この厳ついプロデューサーもね。だから、楽勝になって当然じゃん? だってアタシだけの力じゃないんだからさ」


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