37: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/07/31(日) 02:35:04.57 ID:1RZ+Ipaf0
それからしばらく雑談して、俺たちはテレビ局をあとにした。今日の仕事は終了だ。
俺と彼は担当アイドルを送り届けるため、それぞれの社用車に乗り込んだ。移動中、速水さんは考え込んだまま、ほとんど喋らなかった。
速水さんを送り届けてから、俺はひとり会社に戻るため社用車を走らせる。気がつけば陽は傾いていて、赤く染まる空になんとなく寂しさを覚えた。
会社に到着すると、ロビーで彼に声をかけられた。どうやら俺を持っていてくれたらしい。面倒見のいい奴だ。
「お疲れさん」
「お疲れ。今日は助かったよ」
「あれでよかったか?」
「ああ、参考になった。俺も、たぶん速水さんもね」
「それはよかった。そういや定例ライブの準備はしてるのか?」
「楽曲と振り付けはそのまま引き継いだし、衣装も先輩がいくつか用意してくれていたみたいだからそのまま利用するよ。ステージ演出はまあ、手探りながら作成中」
ステージの演出といっても、バックスクリーンの映像と照明の配色と強弱、あとは音響関係を少しいじれる程度だ。
複数のアイドルが出演するライブなので、仕方がないのだろう。ただ、どうしたって無力感はつきまとう。
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