51: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/03(水) 01:48:59.62 ID:S0sgZAC1O
帰りの車中、もやもやとした感情が腹のなかに渦巻いていた。
宮本さんの言葉と俺の返答。おかしいことはない。なんてことのない会話だ。
でも。心配する友達と導く大人。こうすると違和感。
後輩には偉そうに言ったけれど、俺はなにもわかっていないのだ。
後部座席に座る速水さんをミラー越しに一瞥する。複雑そうな表情も魅力的に見えた。
「フレちゃんとなにを話していたの?」
「んー、ちょっとね。隠す必要はないのかもしれない。でも、ふたりでした話が外に漏れるのはちょっと嫌だよね。悪いけどそれで納得してくれないかな」
「……ごめんなさい。無神経だったわね」
「いや、謝らなくていいよ。速水さんは気にせずなんでも訊いてくれていい。答えるかどうかは俺の判断なんだからさ」
「ふふ、プロデューサーさんって律儀だよね」
速水さんはからかうように笑った。
俺はなんとなく気まずく思う。表に出さないよう努めなくては。
「さて、どうかなぁ。否定する気はないけど、それだけじゃないのかもしれない」
「そう。気に障ったなら謝るよ?」
「ん? なにが?」
「いえ、てっきり、理解したつもりになられて不快に感じたのかと思ったのよ。でも違うみたいね」
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