56: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/03(水) 17:09:08.10 ID:/HKIoMMy0
終業時刻を迎える。
作成していたテキストファイルを保存してから、シャットダウン。思考がまとまらず、作業は捗らなかった。
帰ろう。こういうときはなにをしても無駄だ。一度手を離して、落ち着かないといつまでも抜け出せやしない。
荷物を纏めて立ち上がる。と、背後からがしっと両肩を掴まれた。
「やあやあ、奇遇だなぁ。お前も今終わりか? そうかそうか終わりだな。よし、暇だな。呑み行くぞ」
ゴリラだった。身を捩れもしない怪力である。
「お疲れ様です、先輩。実はこれから残業しようと思ってたところなんです。つまり、暇ではありません」
「おうおう、そうか。ご苦労なこった。よし、先輩なりの優しさを見せてやろう。残業はなしだ。よかったな、今日は呑みに行けるよ!」
「うぜぇ……」
「あ?」
「いえ、なにも言ってませんけど。呆けるには早いですよ?」
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