66: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/04(木) 01:45:36.33 ID:pTgjkfxw0
ロビーで速水さん、新田さんと合流した。今日は新田さんの送迎をする代わりに、音楽番組の観覧をできる手筈となっている。
新田さんは和やかに微笑んだ。
「今日はありがとうございます。助かりました」
「こちらこそありがとう。約束だからね、今日は学ばせてもらうよ」
「私も美波のライブ、楽しみにしているわ」
「うん、奏さんの期待に応えられるよう頑張るねっ!」
挨拶を済ませて駐車場に移動した。ふたりを後部座席に乗せて出発。エンジンの調子はよさそうだった。
「そういや新田さんのほうが年上だよね。どうして速水さんをさん付けしてるの?」
「年上だと思った印象が抜けなくって……」
「ちょっと。私はまだ高校生よ」
「ごめんね。ふふ」
悪戯っぽく笑う新田さんも、負けず劣らず大人っぽい。そして色っぽい。
後部座席には夢を乗せているのかもしれない。男の夢。
「速水さんにも意外と子供っぽいところあるんだよ」
「そうなんですか?」
「高校生だもの、子供で当然でしょ?」
不貞腐れたみたいに言う速水さん。最近、子供扱いをすると機嫌が悪くなる。なかなかどうして扱いづらい年齢だ。
「まあまあ奏さん、プロデューサーさんだって悪く言ってるんじゃないんだから」
「知ってるわ。この人いつもこうだから」
「あはは、もう慣れっこなんだね」
「諦めてるって言うほうが正しいのかもしれないわね」
「飽きられてなくてなによりだ」
「呆れてはいるけどね」
速水さんはわざとらしく大きくため息をついた。新田さんはおかしそうに笑い声をあげていた。
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