71: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/04(木) 02:06:56.72 ID:pTgjkfxw0
新田さんの着替えを待ってから控え室に入る。
ステージとは打って変わって、新田さんは柔和な笑みをたたえた。
「ふう、上手くいったかな! どうでした?」
「本当に魅せられた。鳥肌が立ったよ。なんか上手く言葉にできないけど」
「ええ、言葉を超越した気持ちが湧き上がったわ。感動と、ある種の恐怖さえ覚えたわね」
「そっか、よかった。ふたりのおかげかな」
「私たちはなにもしてないわよ?」
「ううん、やっぱり見てくれている人がいるってすごく力になるんだよ。もちろん、あの場にいたスタッフさんたちもそうだけど、私を見てくれるふたりがいたから心強かったの」
照れてる様子の新田さん。ある種の謙遜に近い言葉は、彼女の意識の高さを表している気がした。
「俺からすると新田さんは、アイドルとしての確信みたいなものがあるように思える。新田さんにとってアイドルってなに?」
「初めは可能性のひとつでした。なにをしたいのかわからかったとき、プロデューサーに提示された可能性のひとつ。あくまで選択肢のひとつでしかありませんでした」
「今は?」
「今はもう違いますね。これが私の道だと思います。わかったんです。アイドルはひとつの可能性ではなく、たくさんの可能性を内包しているんだって。だから、新しいことに挑戦して、ファンを楽しませたり、夢を届けられればいいなって」
130Res/131.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。