85: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/07(日) 04:06:04.08 ID:WVC8K8YCO
と、視線が集まっていることに気がつく。アイドル四人は無言で不思議な視線を向けてきていた。
「どうかした?」
首を傾げると、渋谷さんが代表するように口を開いた。
「いや、なんか……、随分と仲よさそうだなと思って」
うなずく三人。速水さんはちょっと不機嫌そうだった。
島村さんが言葉を引き継ぐ。
「おふたりって、もしかして付き合ってたりするんですか?」
先輩と顔を見合わせる。笑いがこみ上げてきた。
「なんだ知らなかったのか。こいつは大学の後輩なんだよ」
「そもそも、俺がこのプロダクションに入社したのは先輩に誘われたからだしね」
それぞれ、えー! とか、知らなかったとか漏らしていた。
まあ予想なんてできないだろう。
「まあ、いいや。とりあえずお疲れ。速水もまた声かけるからそのときはよろしく頼む」
先輩は好奇な視線を向けてくるアイドルたちを無視して、そう締めくくった。そろそろスタジオの退出時間だ。
それぞれ挨拶して、スタジオをあとにする。
順調な滑り出し。ただ、帰り際、考えごとをしている様子の速水さんだけが気がかりだった。
◇
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