過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」エピローグ
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◆2nrFb/cgFg
[saga]
2016/07/30(土) 10:51:16.77 ID:41ugXGpjo
窓から差し込む光。最高級ホテルの高層階でなければ小鳥のさえずりが聞こえるだろう、爽やかな陽気。
目を覚ました私は、そんな外の様子とは対極のような淫靡なら匂いに包まれた部屋をぼんやりと見回した。
真下に視線を落とせば、愛しい彼の姿。彼の声、彼の匂い、その肌の感触。
思い出すたびに下腹部がきゅんと疼く。
『孕め』
彼は確かにそう言った。小蒔ちゃんの身代わりでしかなかった私にだ。
あの情事の最中、彼は他でもない私自身を求めてくれた。
許されるなら、ああ! 許されるならこのまま彼の子を孕み、何度だって産んでみせよう!
そう、許されるならば、だ。
石戸霞にそれは許されないのだ。
神代小蒔が愛する男。であるならば、彼の子を産み落とすのはまず我らが姫巫女でなければならない。
そうしてからやっと、私が孕むことを許されるだろう。
我が主様――京太郎様はお優しい。自らの子であれば自らの手で育てることを望むだろう。
しかし主様はまだ学生の身。食い扶持を真っ当に稼ぐのは難しい。
その才をもってすれば裏の世界で稼ぐことも不可能ではないだろうが、そんな危険なことはさせてなるものですか。
であれば、あと3年は小蒔ちゃんが子を産むことはない。
その子がある程度育つまで……2,3歳になるまでは、5年程度。
その時私は23歳か。現代では適齢期であるものの……私はそこまで我慢できるだろうか?
主様との繋がりが断たれないよう、慎重に動いて枕元に置いておいた避妊薬を手に取る。
手の上の錠剤をじっと見た。飲まねばならない。心臓が早鐘のように打たれ、おとがいから汗が落ちる。
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