過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」エピローグ
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73: ◆2nrFb/cgFg[saga]
2016/08/01(月) 19:59:09.34 ID:QVTeRlEHo

8月4週   長野


「くそっ、どっち行った!?」「そっちも見失ったの!?」「土地勘あるガイド役雇っておきなさいよ!」


 物陰に身を隠して数分、どうにか撒けただろうか。

 今日は長野に帰ってきた翌日。

 昨日は昨日で清澄の商店街の人達やOBOG、

 それだけでなく長野の各地から俺達を迎えるためか長野駅に数千数万人が集合していた。

 桃子は早々にステルスしてしまったからともかく。

 他のみんな、特に危なっかしい咲や美穂子さん、色々な意味で人気のある和あたりを庇って俺がもみくちゃにされた。

 おかげで今も少し体のあちこちが痛いのだ。

 着替えるときに気付いたが、痣になっていた。


「きょ うたろ 」

「うおっ……対木さんか」

「久し ぶ り」


 か細い声で名前を呼ばれ、思わず誰かと振り返る。

 するとそこには対木さんが微かに分かるかどうかという微笑みを浮かべていた。

 首をかしげる様子はその体躯が小さいこともあり可愛らしさが際立っている。


「ちょっと、マスコミに追い回されててな。コンビニ行くのすら苦労するよ」

「そう    こっち  」


 何をしているのか、と聞きたかったのだろうと思い答えた俺。

 そんな俺の袖を対木さんが掴み、くいっくいっと引っ張って促してくる。

 手ぶらの俺をみて、まだコンビニに行けていないのだと分かったのだろう。

 ……人混みが苦手そうな対木さんのことだ、もしかしたら穴場を紹介してくれるつもりなのかもしれない。

 そうして対木さんのおかげでちょっとした買い物を済ませることができた俺は、

 そのまま対木さんに引っ張られて家にお邪魔することになった。

 手ずからお茶やお菓子を出してくれたのは失礼ながら意外に思ったものだ。

 なにはともあれご厚意に甘えてリラックスしていると、不意に対木さんがソファに身を沈める俺に跨る。


「対木さん?」

「名前で 呼んで?」


 じっと見つめてくる瞳。違和感。

    そうだ、対木さんは普段片目をリボンで隠している。

 そのリボンが今は外されていた。

 それに気付き改めて晒された左目を見――――


『契約完了   ご機嫌いかが? 我が主』



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