過去ログ - 佐久間まゆ 「紅いリボンに導かれ」
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12: ◆heXmER2JA6[saga]
2016/07/31(日) 03:10:11.93 ID:o9OChSfD0
考えながら歩いているとふと持っていたリボンがないことに気づきました。

どこに置いてきてしまったのでしょう。

探しに行かなくてはいけません。

そう思ったとき後ろから声をかけられました。

「おーい、そこのお嬢さーん」

「はい、なんでしょう」

振り向きます。

そこにはやさしそうな男の人が立っていました。

「リボン落としましたよ」

そういってにこやかに笑いながらリボンを差し出してくれました。

まゆはそれを受取ろうと手を伸ばします。

彼の手と、まゆの手が触れた瞬間それは電撃のようにまゆの手を、体を、脳を駆け巡りました。

不安感も孤独さもある種の無気力も、一瞬ですべてを吹き飛ばしていくような、刺激的で甘くでも優しい感覚。

きっと人はそれを一目惚れというのでしょう。

まゆの心に理由のない影を落とす雲の切れ間から、太陽の光が差し込みその影を消し去っていくきます。

「あ、あの、ありがとうございます。」

たったそれだけしかいえませんでした。

今まで初対面の人とでもうまく話せなかったことなんてないのに。

「プロデューサー、そろそろ行かないと」

奥の水槽のほうから女性の声が聞こえます。

「はーい、わかりました楓さん今行きます」

そう男の人は答えると

「じゃあね」

そういって足早に立ち去ってしまいました。

まゆはその場からかうごくこともできません。


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