過去ログ - 【モバマス】的場梨沙「悲しみのエレクトラ」
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15: ◆K1k1KYRick[saga]
2016/08/01(月) 18:05:26.90 ID:Nvyw8WAOo
「大変だったね」

職質から帰ってきたその男に、私は缶コーヒーを手渡した。

彼はハンカチで汗を拭きながらありがとうございますと丁寧な礼をして一気に飲んだ。

「アイドルをスカウトしているのかね?」

「はい、我々346プロダクションでは
 随時アイドルを募集しているのですが……」

私は名刺を受け取ってしばらく彼と軽く談笑した。

後日調べてみると、テレビでよく知っているアイドルが在籍しているしっかりとした事務所らしい。

私は事務所に直接電話し、あの男が本当に在籍しているかどうか調べた。

いると言うので私は時間のある時に彼を呼び寄せた。

約束した待ち合わせ場所に行くと、彼は性懲りもなくまた職質に遭っていた。

「やあ、また君か」

「あっ、パパさん。この間はありがとうございました」

私は警察との間を取り持ち、彼と話をつけるため喫茶店に入った。

「しかしスカウトも思うようにいかないようだね」

「ええ。ですがオーディションに出ない子にこそ
 アイドルとしての素質が隠されている事が多いんですよ。
 大沼くるみや星輝子といったアイドルをご存じですか? 
 彼女たちも元々はスカウトでデビューしたんです」

「なるほどねぇ。だが、もうこの地域でアイドルスカウトは止めておいた方がいい。
 この前出た小学校のPTA総会で、君と思しき男の話題が上がっていた。
 そのうち人相書きまで出回るそうだ。
 そうなるとやりづらくなるのではないかね」

「ええ……」

それを聞くと彼はしょんぼりとうなだれた。

その時私は彼と会ってからずっと考えていた事を話した。

ここに彼を呼び出したのもそれが理由だった。

「それで相談なんだがね……君、私の娘をアイドルにする気はないか?」


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