過去ログ - 姫川友紀「あたしはマウンドに立ちたいだけ」橘ありす「アイドルに興味はありません」
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26: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:20:54.21 ID:p+8xgFFU0
「でも、そこに可能性が残されているって、凄いことだって。橘ちゃんは、そう思わない?」

「……?」

「だってさ」


27: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:22:07.40 ID:p+8xgFFU0
「あたしがプロ野球選手になること……ううん、違うな」

彼女は、過去を懐かしむかのような、優しい表情を浮かべていた。そこには、何か大きな『挫折』が含まれている。そんな気がした


28: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:22:35.89 ID:p+8xgFFU0
「あたしがキャッツに入団することよりも、アイドルになることの方がよっぽど簡単でしょ?」

ポツリと独り言のようにその言葉が発された



29: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:24:20.63 ID:p+8xgFFU0
衝撃だった

こんな価値観の人間が、存在するのかと

彼女にはある種の狂気的な背景が感じられる
以下略



30: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:26:24.48 ID:p+8xgFFU0
彼女に比べて私の悩みなど、なんと子供じみたことだろうか

小さなことだろうか、ささやかなことだろうか

……克服できないことだろうか
以下略



31: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:27:45.68 ID:p+8xgFFU0
「……姫川さん。私に、体力をつけるコツを教えてくれませんか?」

「え……?」

「私。体力が無くて、ダンスレッスンで、すぐにへばってしまうんです。ダンスを克服して……アイドルに……なりたいんです」
以下略



32: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:28:29.25 ID:p+8xgFFU0
彼女は、ニヤリと笑って、こんな条件を出してきた

「ライバルにタダで情報を教えるわけにはいかないけど……交換条件なら良いよ」

「私に出来ることなら、なんでも」
以下略



33: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:29:11.59 ID:p+8xgFFU0
「昨日のボーカルレッスンで聞いたけど、声、凄く綺麗だったよね。あたしもあんな感じで歌いたいんだ」

「……いいでしょう」

「へへ、同盟成立だね……えっと……」
以下略



34: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:30:01.93 ID:p+8xgFFU0
「……橘ありすです」

「ありすちゃんね、よろしく……」

「いえ、橘と呼んでください」
以下略



35: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:30:34.65 ID:p+8xgFFU0

「よろしく、橘ちゃん」

「よろしくお願いします、姫川さん」



36: ◆wsSSA88MXU[saga]
2016/08/01(月) 20:31:12.60 ID:p+8xgFFU0
彼女は私の手を柔らかく握った

マメの跡がはっきりとわかる

この硬い手は、野球選手になるための手だった


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