過去ログ - 【ミリマス】風花「甘くて苦いチョコレート」
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7: ◆mLDidKKbwk[saga]
2016/08/01(月) 20:24:29.19 ID:h8SReFLZ0

静寂。シーンという擬音がぴったりと当てはまるような沈黙が、私たちの空間を支配します。


「風花ちゃん…それは……」


音無さんの声が私の耳に届き、自分が勢いで言ってしまったことを思い出しました。
ぞっとするような悪寒が襲い、嫌な汗が全身から噴き出す感じがします。もしかしたら比喩でなく、本当に噴き出していたのかも知れません。


「プ、プロデューサーさん。今のは…」


言ってしまったことを取り消そうとして、プロデューサーさんに目を向けます。


「っ…」


プロデューサーさんは今まで私が見たことないような表情をしていました。哀しそうな、怒っているような。
形容しがたいのですが、見ているこちらがとてもつらくなってしまうような表情です。


「あ、あの…」


「音無さん」


なにか声をかけようとしましたが、プロデューサーさんはこちらを見ようともせずに矢継ぎ早に音無さんに話かけます。


「すいません今日は体調がすぐれないため退社させていただきます。火急の仕事はないですし、
先方への連絡等は自宅からメールで送信しておきます。なにか連絡がありましたら電話でお願いします。では、失礼します」


プロデューサーさんはそれだけ言い切ると、荷物を素早くまとめて事務所を出て行きました。
バタン、と私とプロデューサーさんを隔てるように無機質な音を立ててドアが閉まります。


「なぁなぁ、たった今プロデューサーさんがすっごい沈んだ顔で出てったんやけどなんかあったん?
私が挨拶してもろくな返事もせんかったやけど…ってうわっ!風花もすごい顔してるやん!」


奈緒ちゃんがプロデューサーさんと入れ違いで入って来て、空気が少しだけ緩みます。
私の緊張の糸も切れてしまったようで、ぺたりとその場に座り込んでしまいました。自責の念で放心状態だった私は、
そのあとのことはよく覚えていないのですが、音無さんが心の整理の時間が必要だろうということで私を帰らせてくれたようでした。


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