過去ログ - 佐藤心「たからもの」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:25:02.16 ID:zwFp5FfU0
「そりゃプロデューサーはそう言うに決まってるだろ☆」

 でも、アイドルはファンに見てもらえなければ意味がないのだ。

 プロデューサーに見つけてもらい、ファンに見てもらうのがアイドルという仕事だ。

「……事務所に戻ってから渡すつもりでしたが」

 プロデューサーはそう言うと自分の鞄の中から一通の封筒を取り出した。

「ん?」

「ファンレターです。心さん宛の」

「はぇ?」

 思わず間抜けな声が出てしまった。ファンレター? 私宛に?

「えっ、ちょ……えっ!? 嘘、でしょ……?」

「こんな事で嘘言ってどうするんですか。本物ですよ。正真正銘ファンレターです」

 手渡された封筒をじっくりと観察する。表にはお世辞にも綺麗とは言えない字で書かれた『佐藤心様へ』という文字が並んでいた。

「んふっ☆」

 ちょっと気持ち悪い声が出てしまったが気にしてはいけない。

「今日のイベントは確かに心さんにとっては辛い物だったかもしれません」

 プロデューサーが隣で何か言っているが、今の私はそれどころではない。初めてもらった自分宛のファンレターにしか意識が向かないのだ。




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