過去ログ - 【がるぱん】ペパロニ「アンチョビ姉さん、私の彼女になってほしいっす」
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52:KASA[saga]
2016/08/11(木) 21:25:01.94 ID:INym7w9bO
「姉さんのマント姿、もう見れなくなるんだなって思った」
「そしたら急にすごくさびしくなって」
「そっか、もう、姉さんいないんだって」
「そんな事とっくにわかってたはずなのに」

 鼻をすすりながら、なんどもヒィヒィと喉を鳴らし、喘ぎながら、言葉を咽び吐く。

 そうかそうか、と頷きながらひたすらに受け止めてやる。

 不思議と、悲しいよりも嬉しかった。

 それは、いわゆる「嬉しい」というのとは少し違うような気がする。

 今までにないくらい、心が、内側から温められるようにジンワリとしている。

 けれど、それをなんと表現しようと思えば、やっぱり「嬉しい」というのが一番近いように思えた。

「姉さんがいなくなっちゃう」
「私どうやってドゥーチェになったらいいんだろう」
「私どうやって戦車道したらいいんだろう」
「姐さんはもういないのに私はどうしたらいいんだろうって」
「そうしたらもう、どうしようもなく寂しくなってきて」
「姉さん、姉さん、姉さん」

 大丈夫だよ、心配ない、大丈夫だよ、と、何度その呟きを繰り返したろうか。

 ペパロニはそのたびにぐずって、嫌だ嫌だとむせび泣き。けれど少しも困った気持ちにはさせられず。なんとも不思議な心持ちがする。

 大丈夫だよ、という言葉がようやく届いたのかは分からないけれど、決壊したダムのようだったペパロニの涙の勢いも、時をおいて、だんだんとその勢いを弱め。

 最後には、スプレー缶の残りかすのような吐息を、断続的に漏らすだけになった。

 ひたすらにペパロニの頭をだいてやっている。

 幸い車庫をのぞきにくる生徒もなく、ペパロニは、誰は恥じることなく気がすむまで思いっきり泣けたのだ。

 ペパロニの呼吸がほとんど正常にもどって、そのタイミングを見計らうと、また笑ってやった。

「ほれみろペパロニ、リハーサルしといてよかっただろ?」

 するとペパロニが、

「……んひっ」

 っと、いまだ鼻水にしめった声で、弱弱しく笑った。


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