過去ログ - まゆ「Pヘッドを被ったあなたは」
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4:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:49:30.86 ID:+lj15o9b0
「先生」
と、呼んでみました。
「僕は、先生なのかい?」
5:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:50:52.87 ID:+lj15o9b0
探そうとした日記帳は、探すまでもなくまゆの手の中にありました。
開くと、“アイスクリーム”と書かれています。
あれ。なんだっけ?
6:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:52:40.06 ID:+lj15o9b0
「どうしたの?」
見るとその人は、おかしな被り物をしていました。
だからきっと、お芝居の人です。
7:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:54:04.21 ID:+lj15o9b0
「寒い?」
と、その人は訊きます。
寒いわけではないのに、まゆは震えています。
8:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:55:19.88 ID:+lj15o9b0
分からないけれど……ただ、その人に抱き締めて欲しいのです。
でも、会ったばかりのその人に抱き締めて欲しいなんて、おかしいです。
被り物で顔は見えませんが、若い男の人だったらなおさらです。
9:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:56:53.28 ID:+lj15o9b0
………
……
…
「どうしてそんな変わった被り物をしてるんですかぁ?」
10:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:58:18.29 ID:+lj15o9b0
「どうして顔を見られたくないんですかぁ?」
まゆは、訊きました。
11:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:59:51.10 ID:+lj15o9b0
「病気なんですね……可哀想に」
「そうでもないんだよ。忘れるということはね、嫌なことも忘れてしまう事だからね。
でも……覚えているほうが辛いんだ。覚えていることを無理矢理忘れることはできない。
一番良かった日のことを、来る日も来る日も思い出してしまうんだ」
12:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:01:05.83 ID:+lj15o9b0
まゆは、言いました。
「P(ピー)さん」
その人は顔を上げました。
13:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:02:09.02 ID:+lj15o9b0
「Pさん……あれ、何のお話でしたっけ?」
「ああ、病気の女の子の話だ」
「男の人の話じゃなかったでした?」
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