過去ログ - まゆ「Pヘッドを被ったあなたは」
1- 20
6:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:52:40.06 ID:+lj15o9b0
「どうしたの?」

見るとその人は、おかしな被り物をしていました。
だからきっと、お芝居の人です。

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:54:04.21 ID:+lj15o9b0
「寒い?」

と、その人は訊きます。

寒いわけではないのに、まゆは震えています。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:55:19.88 ID:+lj15o9b0
分からないけれど……ただ、その人に抱き締めて欲しいのです。

でも、会ったばかりのその人に抱き締めて欲しいなんて、おかしいです。
被り物で顔は見えませんが、若い男の人だったらなおさらです。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:56:53.28 ID:+lj15o9b0
………
……


「どうしてそんな変わった被り物をしてるんですかぁ?」
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:58:18.29 ID:+lj15o9b0
「どうして顔を見られたくないんですかぁ?」

まゆは、訊きました。


以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 22:59:51.10 ID:+lj15o9b0
「病気なんですね……可哀想に」

「そうでもないんだよ。忘れるということはね、嫌なことも忘れてしまう事だからね。
 でも……覚えているほうが辛いんだ。覚えていることを無理矢理忘れることはできない。
 一番良かった日のことを、来る日も来る日も思い出してしまうんだ」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:01:05.83 ID:+lj15o9b0
まゆは、言いました。

「P(ピー)さん」

その人は顔を上げました。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:02:09.02 ID:+lj15o9b0
「Pさん……あれ、何のお話でしたっけ?」

「ああ、病気の女の子の話だ」

「男の人の話じゃなかったでした?」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:05:29.63 ID:+lj15o9b0
「そうしたら、新しく名前をつければいいんじゃないですかぁ?」

まゆは、言いました。
とても素晴らしい思いつきだと思いました。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:07:24.16 ID:+lj15o9b0
Pさんは、答えました。

「……君が呼びたいように」

「まゆが、呼びたいように?」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:08:23.35 ID:+lj15o9b0
「まゆ、あなたの顔、知ってる気がします」

そう言って、手を伸ばします。

その手を、彼はそっと握ってくれました。
以下略



21Res/8.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice