過去ログ - 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」
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18: ◆XkFHc6ejAk[saga ]
2016/08/12(金) 15:17:33.32 ID:Xo9GuVjR0
男は「霧の化け物」が現れた被害跡を調査していました。

(……この削り取ったような跡は何だ……?)

(それに、この跡は……無理矢理進んだ?)

「霧の怪物」の横幅は五メートル、と言った所でしょうか。

進んできた後の地面が、絵の具を塗ったように変色している所を見ると、足は持っていないようです。

おそらく、何かしらの飛び道具を持っているのでしょう。

それが縦横無尽に壁を削り取っているようです。

(……フットワークは鈍そうだな。一人残らず殺られてるって事は……この飛び道具が素早いのか?)

(そりゃそうか……あの団長が負けるくらいだからな)

(……離れて炎をぶっ放すか。ウィルオウィスプじゃ力不足かもな……炎魔法を使うか、いや、空から完全体で攻撃する方が早い)

男はぶつぶつと呟きながら、武器屋で新しく買った武器を確認します。

よっぽどの獲物でないと壊れてしまうので、それならばと、最初から使い捨てのつもりで、大量のナイフを買ったのでした。

勿論、今は魔法紙に封印されています。

「……」

しかし、これは……嫌な感じだ。男は視線を落とし、変色してしまった地面を見ます。

(まるで質の悪い重油が通ったみたいだ……それに、かすかに匂いがする)

しかし、その香りは、今まで男が嗅いだ事の無い匂いでした。

勿論、良い匂いでは無いのですが……男は、この匂いを何度か嗅いだ事があります。

「……何の匂いだったっけなァ」

男は少し考えましたが、思い出せないので考えるのを止めました。

下手の考え、休むに似たりが男の座右の銘です。

「さて、次は何処に出てくんのかね」

男は右肩をごきりと鳴らすと、戦いに備えて不敵な笑みを浮かべました。


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