過去ログ - 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」
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◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/08/14(日) 17:10:20.69 ID:1MPDMi340
「霧の怪物」の身体が、風船を膨らませるように、むくむくと膨れ上がっていきます。
「あの野郎、自爆する気か!?」
「霧の怪物」の身体が何倍にも膨れ上がった後、その口から、凄まじい勢いでガス状の何かが放出されました。
「!」
老人は脚に男を引っ掛け、素早く空に飛翔します。
「霧の怪物」も、その勢いを制御出来ないようです。空に逃げた老人達に合わせる事も出来ず、ただ一直線にガスを噴出します。
全てを出し尽くすと、「霧の怪物」はぺしゃんこになってしまい、そのまま動かなくなってしまいました。瘴気は消えたようです。
ガスは未だ、霧のように漂っています。明らかに触れるとまずいものでしょう。
「何だったんだ……あいつは」
男は自然と口にしていました。
「ジジイ、これどうする? 吹き飛ばすのか?」
「此処は普段訪れんし……ま、無視しようかのぉ。虫だけに……ひっひっひ!」
どうせこの区域は壊滅状態です。周辺に漂うかもしれませんが、彼らには関係ありません。
巻き添えを食らった者達には気の毒ですが。
「……何でも良いから休ませてくれ。今も身体が痛んで仕方ねえんだ」
「ひぇ〜、まさかジャバウォック様が、ここまでボロックソのボロ雑巾にされるとはのぉ」
「……」
「いやぁ、まるで小便を漏らした子供のようじゃったのぉ」
「……」
「しかも地中からの攻撃に気付けぬとは……その鼻は飾りかのぉ?」
「……」
「かーっ、天下のジャバウォック様も、あれには手も足も出なかったかぁ〜」
「……おい言い過ぎだろボケ!! ぶっ飛ばすぞ!!」
「このまま落としても良いんじゃが?」
「……クソが!」
しかし、戦闘中に感じた妙な感じ。男は覚えがあります。
だがもう殺されたはず。男は考えを否定しますが、どうしても気になって仕方ありません。
「あいつ、ドッペルゲンガーのガキに似てたな……」
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