過去ログ - 提督「グラーフ・ツェッペリン、割り箸を割る」
1- 20
21:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 01:51:57.74 ID:IPF1yQGEO
鳳翔は去った。金剛と違い湯飲みはちゃんと片づけていった。しかし、謎を残していった。グラーフ・ツェッペリンはいまだ一本の割り箸を掌で転がす。

結局どうすれば。金剛も鳳翔も仮説「艦娘は提督への好意を機械運命論的に決定づけられている」という問題を回避する方法は教えてくれた。どちらも距離の取り方で感情の「本物/偽物」の境界を見えなくする手段であった。

金剛は感情に過剰に接近し、つまりその内で生きることによって感情の真偽区分をなくし、鳳翔は反対に感情から過剰に離遠し、つまりその外から眺めることによって真偽区分の意味をなくす。

しかし、グラーフ・ツェッペリンは金剛のように生に熱中するほど器用でもなく、かといって鳳翔のように生に対し徹底して枯淡になることもできなかった。鳳翔の如く「さようなら、世界」とも金剛の如く「ただいま、世界」とも言えない宙ぶらりんだった。

回避できないなら克服するしかない。問題はこうだ。「私はアドミラルのことを好いている。しかし、その感情は偽物の可能性がある。果たして私は恋する乙女としてあるべきか」

「アドミラルのことを好いている」という感情命題に距離をとって解消するのが鳳翔のやり方であり、「感情は偽物の可能性がある」という命題の存在意味を否定して解消するのが金剛のやり方だ。どちらも一方を放棄する。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
34Res/35.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice