過去ログ - 提督「グラーフ・ツェッペリン、割り箸を割る」
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26:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 02:04:04.76 ID:IPF1yQGEO
曇天の宵空からは月の朧気で曖昧な光が僅かに差し込むばかり。明晰を好むグラーフ・ツェッペリンにとって、曇天は昼には好ましいが夜には厭わしい。世界はまったく不条理だ。

かすかな光量の空に一瞬だけティーポットが見えた。いつのまにか金剛のティーセットは消えていた。いつの間にか飛び去っていたのか。暗がりで気付かなかった。グラーフ・ツェッペリンはその「天空のティーポット」を思い馳せた。

誰も空にティーポットが浮かんでいたなんて信じないだろう。でも、グラーフ・ツェッペリンはその存在を確かに知っている。

グラーフ・ツェッペリンは割り箸を割った。何のために? それはグラーフ・ツェッペリンの方が是非聞きたい。結局グラーフ・ツェッペリンにとってこの割り箸は何の意味があったのか。そして、それを割った意味は。

グラーフ・ツェッペリンは割った後考えた。この割り箸はどうするべきか。捨てるべきか、それとも使ってやるべきだろうか。

道の境界は全て暗く。グラーフ・ツェッペリンは草庵を出たのはいいが、どこへゆくのか。金剛がいるであろうアドミラルの場所か鳳翔のいる酒宴会場か。それとも別の場所か。

まあ、何にせよ目的はない。そもそもグラーフ・ツェッペリンは散歩の途中なのだ。割った割り箸をもって夜の散歩。盲目的自由に従い。


おわり



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