過去ログ - 京太郎「鼓動する星 ヤタガラスのための狂詩曲」
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◆hSU3iHKACOC4
[sage saga]
2016/08/14(日) 02:56:24.61 ID:B82FWzEK0
アンヘルとソックは真剣そのものだった。和やかに話を進める気はないように見えた。
ただ、天江衣はほっとしていた。アンヘルとソックの機嫌が直ったと察していた。そして再びにやりと笑った。
二人が参加してくれれば正確に事件について語れるからだ。
正確に語れるということはつまり、夏休みの課題が片付くかどうかにかかるわけで、天江衣も本気であった。
夏休みの間に起きた大きな事件について天江衣が語りだそうとした時、別館に須賀京太郎が現れた、この時別館のリビングルームに現れた須賀京太郎について書いていく。
それは天江衣が口を開こうとした時である。別館の玄関で鍵のひらく音がした。
リビングルームと玄関の距離はそれなりにはなれているのだが、しっかり鍵のかみ合う音が聞こえていた。
するとリビングルームの天江衣、アンヘル、ソックの三名が固まった。それもそのはずで鍵のひらく音で須賀京太郎が別館の扉を開けたと判断がついた。
須賀京太郎が別館に入ってくること自体は悪くない。問題なのは別館に染谷まこがいることである。
というのが龍門渕前当主の許可をとって染谷まこを連れ込んでいるが、龍門渕透華や須賀京太郎に話をつけていない。
つまり須賀京太郎に叱られると思ったのである。そうして三人が固まっていると、リビングルームに須賀京太郎がハチ子を引き連れて現れた。
リビングルームに現れた須賀京太郎は黒地のスリーピース・スーツを着ていた。灰色の髪の毛に、鍛えられた肉体と合わさってなかなかの好青年ぶりである。
それは染谷まこが感心するほどで、須賀京太郎の登場と同時に
「おーっ! 男前になったなぁ!」
と笑顔を浮かべて褒めるほどであった。そうして染谷まこが邪念なく褒めた瞬間、リビングルームの空気がパッと明るくなった。
スリーピース・スーツを着た須賀京太郎が照れ笑いを浮かべて、こういったからだ。
「先輩? うわぁ、びっくりしたぁ。
もう、先輩が来るなら、お土産を持ってくるんだった。ハチ子さんも知っていたのなら、教えてくれたらいいのに。
あっ、先輩。インターハイお疲れ様でした。直接応援したかったんっすけど、ちょっと仕事がたまってまして……申し訳ありませんっす!」
これに染谷まこが笑って答えて、丸く収まった。そうして軽い挨拶を終えた後須賀京太郎はリビングルームの椅子に座った。
ちゃぶ台から少し離れたところにあり、巨大なテレビを見るのに適した位置にあった。豪華な椅子で須賀京太郎が座ると玉座のように見えた。
須賀京太郎が席に座った後、染谷まこが話をせがんだ、この時の染谷まこと須賀京太郎のやり取りについて書いていく。
それは須賀京太郎が豪華な椅子に座った直後のことである。須賀京太郎のことなど気にせずに、染谷まこが口を開いた。
「それじゃあ、夏休みの話とやらをきかせてくれぇよ」
すると椅子に座っている須賀京太郎がピクリと反応した。視線が天江衣に向かいアンヘルとソックに向かった。
この視線に気づいている天江衣は少しためらった。しかしどうにかこういっていた。
「いやぁ、京太郎本人がいるのに、その、なぁ?」
すると染谷まこがこう言った。
「ダメか京太郎? 夏休み中に頑張ったんじゃろう?
もしかして、きいたらまずい話なんか? それじゃったら諦める。
いつも不機嫌そうな顔をしとった京太郎が、どうしてそんな男前になったんかと気になったんじゃけど……残念じゃ」
すると須賀京太郎がにやけた。染谷まこが褒めるものだから気をよくしていた。ただ、必死で自分を抑えていた。
染谷まこが目の前にいるのに格好の悪い真似は出来なかった。そうしてにやけた顔をしながら、須賀京太郎はこう言っていた。
「いやいや先輩。全然問題ないっすよ。守秘義務にあたるようなことは全然ないっす。いくらでも聞いてくださいよ」
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