過去ログ - 京太郎「鼓動する星 ヤタガラスのための狂詩曲」
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◆hSU3iHKACOC4
[sage saga]
2016/10/08(土) 19:43:34.45 ID:4+RubV0x0
エピローグ
龍門渕の別館に染谷まこが到着してから四時間後天江衣が語り終わっていた、この時の天江衣たちの様子について書いていく。
それはそろそろ午後三時というところ。一夜の間に起きた長い話を天江衣が語り終えた。語り終えた天江衣はひどい状態であった。
ふかふかの絨毯に寝転がりつつ、亡者のように呻いていた。可愛らしい声も今は失われてガラガラだ。そんな天江衣に負けないのがアンヘルとソックである。
天江衣の話にチョイチョイ割って入って補足説明をしていた二人である。それなりに疲労していた。
そうして三人と同じくらい苦しそうなのが染谷まこであった。口はほとんど開いていないのだが、話をまじめに聞いていたため、疲労がたまっていた。
夢物語であれば話半分に聞けるのだ。しかし自分の後輩が駆け抜けた旅路で被害を受けた染谷まこである。真剣に聞いた。
そんな少女たちから少し離れたところで背の高い女性ヘルが椅子に座ってくつろいでいた。
ヘルの前には豪華なテーブルがあり、テーブルの上には昼ごはんが用意されていた。デザートまである。ナグルファルのまとめ役の一人梅さんが用意したものであった。
二代目葛葉狂死の事件を語り終わった直後天江衣が口を開いた、この時に天江衣が語ったことについて書いていく。
それはようやく話が終わったとみんながほっとしている時のことである。亡者のように呻いていた天江衣がこんなことを言った。
「さぁ、話は聞いたな。それでは私の宿題を手伝ってもらおうか。
京太郎たちの頑張りでどうにか事件は収束に向かったが、事後処理の仕事が残っていてな……夏休みの宿題をする余裕がなかったのだ」
この時の天江衣は見た目が可愛いだけの亡者だ。どうにか話術で染谷まこを言いくるめて自分のお願いをきかせようとたくらむ地獄の亡者だった。
長い時間話をして疲労している。その上、腹も減っている。人の手を借りねば気持ちがおさまらなかった。効率の問題ではない。意地の問題である。
ダメな高校生だった。
天江衣が亡者化して十秒後、染谷まこが答えた、この時の染谷まこの答えと天江衣の反応について書いていく。
それは染谷まこに宿題を肩代わりしてもらおうと天江衣が企んでいる時のことである。天江衣と同じくらい疲労している染谷まこがこう言った。
「まぁ、そこまで頑張ったんなら、宿題の一つくらいは手伝ってやってもええかな……じゃが、あんまり長くは手伝えんぞ。
わしも明日から学校じゃけぇな」
この時の染谷まこは非常に優しかった。天江衣が語って聞かせた話を真摯に受け止めて、敬っていた。またキラキラと輝いていた。
非常に難しい仕事を成し遂げたヤタガラスとその構成員たちをいたわる気持ちが表情に輝きを生んだ。この輝きは美しく、清らかだった。
そんな染谷まこを見て天江衣がうめき声をあげた。完全に亡者のうめき声であった。当然である。やましいところが山ほどあるのだ。浄化されそうだった。
そうしてうめき声をあげた天江衣は絨毯の上で悶えた。顔を手で押さえて、ごろごろ転がった。
ジャージがめくれて腹が出ていたがまったく気にせずもだえ苦しんだ。正直に告白したかった。
「仕事自体はすぐに終わりました。ナグルファルとオロチが手伝ってくれたんで速攻終わりました。
夏休みのほとんどはゲームで遊んだりマンガ読んだりアニメ見たりしてました。宿題は終わったと思っていたのです。
センター試験の過去問なんてすっかり忘れてました。だって大学受験なんて考えていませんもの。多分無意識に排除していたのでしょうね」
しかし告白できなかった。染谷まこ以外に手伝ってくれそうな関係者がいないのだ。龍門渕の関係者にお願いしようものなら即座に実家に連絡が飛ぶ。
ナグルファルとアンヘルとソックは見て見ぬふりをしてくれるが、それでも梅さんの視線は厳しくいつ須賀京太郎に告げ口されるかわからない。
となって、一人で宿題が終わるかといえば、絶対に無理で力が必要だった。そして天江衣はもだえ苦しむのだ。
普段ならポーカーフェイスで押し切れるが、本日は脳みそが疲労しハイになっている。そのため何時もより一層残念な少女になっていた。
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