過去ログ - 三船美優「遥かな旋律、琥珀の夢」　【ウルトラマンオーブ×シンデレラガールズ】 -SS速報VIP

過去ログ - 三船美優「遥かな旋律、琥珀の夢」　【ウルトラマンオーブ×シンデレラガールズ】

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1:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:47:36.88 ID:7qJI0VZ40

（プロローグ）

　何度も見る夢がある。

　薄ぼけた視界。遠ざかっていく琥珀色の影。

　耳朶を打つ雨音。鼓膜を震わせる哀しげな旋律。

　そして、幾重もの膜を通したような遠い声。

「――…………くの」

「――…………ないで……」

　摩耗しているようで焼き付けられている、その記憶。その夢。

　これは私の、そんな記憶にまつわるお話です――

※ウルトラマンオーブ×アイドルマスターシンデレラガールズのSSです

※地の文がやたらに多いです

※過去怪獣のリメイクという形でオリジナル怪獣がいます

※捏造設定や独自の解釈などがかなり多めです

※時系列的には、オーブ側は本編より二、三年ほど前、デレマス側は三船さんのデビュー前という設定です

※遅ればせながら、三船さん総選挙三位、ボイス決定おめでとう！

※登場アイドル
三船美優（26）　相葉夕美（19）　高森藍子（16）

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:49:43.93 ID:7qJI0VZ40

（１）

夕美「それじゃあ、お疲れさま～」

3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:50:31.88 ID:7qJI0VZ40

美優「はあ……」

　――ひとりになると変な方向に思考が深まっていって、自然に溜め息が漏れる。
　それも習い性になってしまった悪い癖だと、美優は自嘲気味に微笑した。

4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:51:09.11 ID:7qJI0VZ40

美優「…………」

　静かな住宅街。
　美優以外には誰の姿も見えない。道路の両脇に並ぶブロック塀、垣根、家々の門。

5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:51:39.26 ID:7qJI0VZ40

　――たっ、たっ、たたたっ。

　いつの間にか、雨が降り始めていた。

6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:52:09.37 ID:7qJI0VZ40

「――おい姉ちゃん！」

　びくりと背筋が吊り上がった。
　犬が曲がっていったのとは逆の角に、その影が立っていた。

7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:52:40.82 ID:7qJI0VZ40

男「……何だい」

美優「あの……」

8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:53:16.30 ID:7qJI0VZ40

美優（……何だったのかしら……）

　取り残された美優は首を傾げていたが、ふと犬のことを思い出した。
　慌てて十字路の先に首を向けるが、猫の子一匹いない。溜め息が漏れた。

9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:53:58.92 ID:7qJI0VZ40

（２）

　翌日。美優が事務所への道を歩いていると、後ろから軽快な足音が聞こえてきた。

10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:54:33.14 ID:7qJI0VZ40

美優「……夕美ちゃんは綺麗ね」

　……と、変なことを口走ってしまった。

11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:55:06.91 ID:7qJI0VZ40

美優「……確かに綺麗ね……」

　そう言いつつ、美優は内心、心の底の泥をかき混ぜられたような感覚に陥っていた。
　それは、ひょんなことから知ったこの花の花言葉に起因している。

12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:55:39.22 ID:7qJI0VZ40

（３）

美優「――というわけで……私、三船美優のデビューCDは七月二十一日発売です」

13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:56:07.68 ID:7qJI0VZ40

スタッフ「はい、オッケーでーす！」

藍子「お疲れさまでした～」

14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:57:15.16 ID:7qJI0VZ40

「美優サーン！　藍子サーン！」

　二人がスタジオを後にすると、黒スーツの男が一人駆け寄ってきた。

15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:57:59.25 ID:7qJI0VZ40

Ｐ「出会ったあの夜は、今でもよく憶えていマスヨ……」

美優「…………」

16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:58:31.99 ID:7qJI0VZ40

　と、そんな時――

「早まっちゃ駄目デス！！！」

17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:59:03.20 ID:7qJI0VZ40

美優「…………」

　全く別のことで美優は目を丸くした。ぼんやりとした街灯に照らされた彼の髪――
　濃度の高い金色……琥珀色。その色が、海馬の内のどこかの琴線に触れたような気がした。

18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 20:59:35.96 ID:7qJI0VZ40

　などと考えていると――

男「……スミマセンデシタッ！」

19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 21:00:09.25 ID:7qJI0VZ40

藍子「あの……プロデューサーさんが何か失礼なことをしましたか……？」

　高森藍子が近づいてきておずおずと訊ねてくる。
　その整った顔立ちに美優はどきりとした。暗い中なのにテレビに映る彼女よりもずっと綺麗に見えた。

20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 21:00:43.88 ID:7qJI0VZ40

　車内で話を聞くと『Flowery』の二人は伊豆での撮影後らしかった。
　ロケバスもあったそうだが、鎌倉観光をしたかったためにプロデューサーの車に乗ったらしい。
　そのため帰りがこんなに遅くなったのだという。

21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/13(土) 21:01:15.87 ID:7qJI0VZ40

　　　＊

Ｐ「――そんな美優サンも、もう立派なアイドルですネ」

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