過去ログ - 子供「ツブアンおじさーん!」 ツブアンおじさん「おう」
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27:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/18(木) 17:16:59.97 ID:2QvdetSB0
ツブアンおじさん「町の奴等は俺のことを、ヒーローだ、正義のヒーローだと褒め称えた。以前の婆さんなんか、手作りの外套なんかをこさえてきやがって、これを着てまた頑張ってちょうだいね、などと言ってまた俺の手を握った。俺は無性に腹立たしかった。中学の時にやっていたことと何も変わりはしねぇのに、ちやほやされる状況が腹立たしかった。町の奴等は自分のことにしか感心がねぇんだ。自分に害をなす人間が俺によって痛めつけられてる。その状況に嬉々しているんだ。結局のところ、俺は町の便利屋ぐらいにしか思われてなかった」

ツブアンおじさん「町の新聞社は、正義の使者“アンパンマン”またお手柄、という記事をばら撒いていた。“アンパンマン”という名前は、中学の同級生からの取材で得た俺のあだ名をヒントに名づけたらしい。蔑称が敬称になるとはとんだ笑い話だ。なにが正義の使者だ。正義なんてのは結局のところ、暴力を許容するための都合のいい合言葉でしかねぇ」

ツブアンおじさん「その頃から、廃棄からの襲撃はいっそう激しくなった。完全に敵対意識を持たれたらしい。廃棄の奴等は俺を襲う際に、ハヒフヘホーと叫びながらくる。よく聞いてみると、“Hard hit fool  Hate Hope”と言っているらしい。奴等の合言葉だ」

ツブアンおじさん「なかなか激しかった。バットやナイフ、角材、鉄パイプ、なんでも有りだった。俺は……正直うんざりしていた。奴等を殴り返している間、俺はまたヤツに会いたいと思うようになった。あの爆炎の前で見たヤツは、こんな雑魚共とは違う。一目見て解ったんだ。ヤツのことをぶん殴ってやりたい。ヤツの鼻っ柱に俺の惨めな拳を叩き込んでやりたい。ヤツを殴りたい。ヤツを殴りたい」

子供「…………」

ツブアンおじさん「……火」

子供「吸いすぎじゃない…?」

ツブアンおじさん「火」

子供「うん…」

ツブアンおじさん「……フゥー……」


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