過去ログ - 子供「ツブアンおじさーん!」 ツブアンおじさん「おう」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/16(火) 10:55:56.06 ID:VDibV/ZW0
ツブアンおじさん「試合はまさに佳境といったところだった。小さな四角いリングの中で、男たちが顔中を血まみれにしながら睨み合っていた。男たちは怒りに満ちていた。目は血走り、拳はブルブルと震えている。ゴングが鳴る。一人が倒れる。一人が両手を挙げる。ゴングが鳴った直後のクロスカウンターだ。相手の顎の先をキレイに抉っていた」

ツブアンおじさん「その瞬間を俺は食い入るように見ていた。そして、悟った。俺のこの両手は、人を殴るためにあるのだと」

ツブアンおじさん「その日から俺は、裏庭の古いケヤキの木をサンドバッグにした。毎日殴った。朝に殴り、昼に殴り、夜に殴り、手は血まみれになった。でも、殴り続けた。俺の手はその為にあるんだ。それしかなかった」

子供「おじさんはボクサーを目指してたの?もしかして、元ボクサーだったりして」

ツブアンおじさん「いや、ボクサーにはならなかった。なりたくもなかったね。興味がなかった。俺は殴れればそれでよかった」




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