113:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 21:25:34.49 ID:D33bbYIF0
公園に入ると、いつも座るベンチの真向かいにある、少し小高くなっている場所に、子供会の班長か何かだろうか、しっかりしてそうな子がラジオをセットして準備をしていた。その周りに、ちらほらと七、八人。
あの中に入るのか、と気後れしていると、イチがベンチに腰掛けた。
「ここでしようよ」
ああ、なるほど。
確かに、言われてみれば、(数回だけ行ったことのある)ラジオ体操の記憶の中では、近所の年寄りなんかは、少し後ろの方で体を動かしていた覚えがある。今はいないけど。
ここなら問題ないな。
納得していると、班長の子が、ラジオのスイッチを入れた。
イチと少し距離をとって、ノイズの混じった声に従って身体を動かす。
実際に動いてみると、覚えのある動きばかりだったので、昔はやってたんだなぁ、としみじみ感じた。
不規則なセミの声を聞きながら、規則正しく体を動かす。
思ったよりも息が切れて、ズボンのベルトで腰の骨が痛かった。これならもうちょっと伸びる服の方がいいな。
予想以上に体力を使うラジオ体操を終えた後、スタンプを貰う子供達を背に、二人で公園を出て、あたりをぶらついた。
「今日なんか予定ある?」
イチは、いちごオレのストローを伸ばしながら答えた。
「特にー、家には誰もいないかな」
「そっか」
そのまま特に会話もなく、晴れた朝の川面を、橋の上から眺め下ろしていた。
朝日が反射して眩しい。
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