133:名無しNIPPER[saga]
2016/08/21(日) 20:13:10.79 ID:Rgdwxjz5O
「何か買わないんですか?」
そう勧められて、改めて棚を見渡す。
お菓子の並びは、昔とほとんど変わってない。
せっかくなので、昔よく食べていた、棒状のゼリーのような駄菓子を買った。
美味しいわけではないけど、何故かよく買ってたんだよな。
「はい、十円です」
「すげえな、値段覚えてるのか」
十円玉を一枚、ナナコに手渡す。
なんか、千円札を出すより、こういう小さいやり取りの方が、買い物してる、って気分になる。なんでだろう。
「まあ、小学生になったときから、たまにお手伝いはしてましたからね。流石に一人で任せられるのは初めてですけど」
そう言ってレジにお金を入れるナナコの手つきは、確かに、手馴れたものだった。
が、やっぱり、ナナコが店番してるところなんて、初めて見た。
覚えがないのか、タイミング的に会わなかったのか。
それとも、小学生になってからは、あまり来てなかったのだろうか。
いつから来なくなったのか、その辺りはよく覚えてない。
それから、ムギちゃんとイチの会計を済ませて、軒下のベンチで、みんなで買ったお菓子を食べる。
ムギちゃんがいくつか分けてくれた。
駄菓子って味が濃い。
ふと気になって、ナナコに尋ねる。
「そういえば、部長のお婆ちゃん家の合宿は来れそう?」
「行けますよ」
よかった。
そういえば、弟がいる、って言ってたっけ。そこを交代でなんとかしてもらうのかな。
チヨはどうなんだろう。
折角なら大勢で行きたいし、後で聞いてみよう。
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