過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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135:名無しNIPPER[saga]
2016/08/21(日) 20:16:14.95 ID:Rgdwxjz5O

「チヨ、合宿これそう?」

「んー、実は、明後日から、私たちもおばあちゃんのお家に、行くかも……」

「あ……それも、まさか」

「うん……妹が集中しやすいように」

 そっかー、と、イチは残念そうにポニーテールを撫でた。

 まあ、受験なら仕方ない。

 ごめんね、とチヨが申し訳なさそうに言う。

 なんでチヨが謝る。

 気まずくなる。こういう時になんて声をかけたらいいかわからない。

 一周回ってユウキが羨ましいくらいだ。

 横に目をやると、壁にもたれかかっていた、双子の……たしか、ナナコはハルくんとなーちゃん、と呼んでいたか。

 壁にもたれかかっていたハルくんの首元に、ムギちゃんが冷たいラムネ瓶を押し付けて、驚かせていた。

 ……よく初対面でそれができるな。

 田舎の子供恐るべし。

 ハルくんは驚いて目が覚めたようだった。

 ムギちゃんはけらけら笑っていた。
 なーちゃんも、つられてクスクスと笑っていた。

「この後、予定、ある?」

「某国の大統領と面談……」

「特にないかな」

 基本的に暇ではある。

「暑い」

 イチが服の胸元をパタパタと仰いだ。

「暑い、ね」

 今日は風が吹かない。

 子供達の方も、よく見ると額に汗が浮かんでいる。

 暑い。

「……帰るか」


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