147:名無しNIPPER[saga]
2016/08/22(月) 14:01:13.08 ID:U4U8jo5Q0
夏休みといっても、ウチの高校には課外授業と言う名の補習がある。
俺は呼ばれていた。
教室にはいつもの半分ほどの人数しかおらず、雰囲気もいつもほど堅苦しいものではなかった。
「夏休みまで授業しないといけないのか……」
きいちゃんは授業の最後にため息をついた。それを鬱陶しく思われないのが、この先生のいいところ。
授業といっても、二時間しかないので、終わるのはいつもの何倍も早い。
参加していたほとんどの生徒は、すぐに部活や教室の移動で帰ってしまった。
教室に残ったのはチヨと俺と、それからユウキだった。
イケメン君は部活を優先したらしい。
一瞬沈黙が降りるが、話題ならあった。
「なーちゃんとハルくんは?」
「今日は、家でお留守番」
妹さんはおばあちゃんの家に泊まっているので、多少は騒いでもいいようだ。
というか、あれくらいの歳なら普通に友達と遊んでいてもおかしくなさそうだけど。
そう考えてから、自分にその頃友達がいたのかどうか不安になってきた。
「誰、それ?」
ユウキとチヨは一応、顔見知りではあるらしい。
ただ二人で話しているところはみたことない。友達の友達、という感じだろうか。
「私の弟と妹、双子の」
「へえ、双子か」
「あと、妹も、もうひとりいるよ!」
チヨは自慢げにそう答えた。
「なんて名前?」
「ヒメ」
「知らないなぁ」
「知ってたらすごいよ……」
最近、チヨがよく喋る気がする。
いや、前から無口だったわけではないのだけれど、なんというか。
自信がついた(?)、というか。いい傾向(俺は何様だ)。
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