155:名無しNIPPER[saga]
2016/08/22(月) 14:14:28.74 ID:U4U8jo5Q0
「課題終わった?」
「まだですよ、終わってんのイチくらいでしょう」
「あの子は要領いいからね、確かに終わってそう。キミも大概要領良さげだけど」
「買いかぶられてますね」
「私はアサリが好きだな」
「僕も貝類の中ならアサリですね」
「かいかぶってるね」
部長はケラケラと笑った。まるで暑さを感じていないかのようだ。
「部長、なんか用事があったんですか?」
「んんや、家に居づらいから逃げてきちゃっただけ。お客さん来ててね。……古くっさい家だから」
苦笑い。
自分の家、というか家庭の話をすると、部長はいつもこの表情を見せる。
部長の家は、昔からある由緒正しい(?)家系だった。
江戸時代(あたりだったと思う、たぶん)、この辺りを統治していた家。旧藩主。苗字を言えば、このあたりで知らない人はいないのではないだろうか。
この公園ではないが、この辺りにある大きな公園の名前にも、その苗字が使われている。
つまり、部長からすれば自分の苗字の公園があるのだ。
「キミはこの子達の付き添い?」
「まあ、そんな感じです」
部長は自販機でコーラを二つ買った。
片方を全力で振っている。
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