182:名無しNIPPER[saga]
2016/08/23(火) 14:34:22.39 ID:95OtfHS60
昼前に、ねえちゃんがそうめんを茹でた。
食器洗い以外でねえちゃんが台所に立つのを見たのは、かれこれ数年ぶりかもしれない。
突然やりたい、と言い出したものだから驚いたが、やらせてみると案外できないこともなかった。
まあ、茹でるだけだし。
俺は隣で卵を焼いて、チヨが家から持ってきたハムを千切りにしていた。
なんでハムを持ってきていたのかは疑問だ。
人数があまりにも多かったので、子供三人と俺はリビングのテーブル、女子達はダイニングのテーブルで食事をすることになった。
こうしてみると状況の特異性に気づく。
なんでうちに五人も女子がいる。
ただ、「今日のそうめん柔らかい……」と言いながら箸を運ぶムギちゃんを見て、
成り行きで考えるとそれほどおかしくもないんだよな、と考える。
ラジオ体操から、ねえちゃんの従姉妹、なーちゃんとハルくんから、部長に……
こうして並べてみると、芋づる式にこの状況が浮かび上がる。
そして、みんな要するに暇なのだ。
暇な人同士が集まれば、暇ではなくなる。
そうではない場合もあるけど、暇をつぶすのに一番簡単な方法は、たぶん、それだ。
それぞれが暇をつぶすのに一番手軽な場所が、この家だった。それだけ。
なんかちょっと誇らしい。
暇つぶしに最適な場所。
……言葉にしてみるとそうでもなかった。
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