234:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:59:19.04 ID:ifFcB1G70
「イチ」
突然名前を呼ばれて、隣に座る女の子がこちらを振り返る。
「なに?」
「もしさ」
「うん」
「聖徳太子になれるとする」
「……聖徳太子ね」
かつての聖人。
「なる?」
「いや、ならなくていい」
イチは当たり前のように返事をした。
「人の話を十人も同時に聞けるのに?」
「それは確かに便利だけど、聖徳太子は私じゃないし」
「聖徳太子は私じゃない」
なるほど、と思った。
確かに、聖徳太子になってしまうと、自分だけでなく、周りの関係まで変わってしまうのかもしれない。
親も、知り合いも、友人も。
それは普通に嫌だ。
「どうしたの、藪から棒に」
「いや、ちょっとね」
頭に浮かんだだけです。
どうしてかはわからない。
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