249:名無しNIPPER[saga]
2016/08/25(木) 14:33:44.46 ID:TLj9UmSq0
「そういえばあの子」
「ムギちゃん?」
「うん」
ねえちゃんは頷く。
「もうすぐ帰る」
「え」
……少し考えて、帰る、というのが、
ねえちゃんの家に、ではなく、ムギちゃんの家に、ということに気付く。
そういえばムギちゃんは、しばらくの間、お泊りに来ていただけだった。
「……いつごろ?」
少し寂しさを感じながら、まあ、仕方ないよな、と自分に言い聞かせる。
ムギちゃんはまだ子供だ。俺たちも。
「花火大会の次の日」
ということは、今週末……明後日か。
「だいぶ近いな」
「まあ、あの子は宿題持ってきてないし」
帰ったら宿題地獄だ、とねえちゃんは笑っていた。でもちょっと寂しそうだった。
それから、二人で黙って家まで歩いた。
家の前で別れて、一人で「ただいま」と言う。
もちろん誰も返事をしない。
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